近畿ブラ歩き

近畿の名刹、名所、催しを見聞するブログ

久しぶりに「日蓮と蒙古大襲来」を鑑賞しました

数年前に大映特撮シリーズを数作購入しましたが、唯単に自分が知らない時代の映画に興味を持って購入し、過去の映像に稚拙な表現や映像技術も多数有りましたが、この作品には役者一人一人の演技の粋が集約されており、綺麗な佇まいで演技を行う主人公日蓮を演技する長谷川一夫の姿が印象的でして、彼を取り巻く古参・中堅・若手俳優の個性が引き出されています。 物語は、日蓮比叡山延暦寺で修行し、諸国を巡礼修行を終えて故郷安房国に戻り、師匠に修行を終えて挨拶に戻るシーンから映画が始まり、諸国の地獄模様の阿鼻叫喚とした庶民の惨状を憂い、自分が修練した法華経の教えを広める事から数々の迫害に遭い、命を顧みぬ献身的な慈悲と自愛を庶民に傾けるのです。 時代背景は、鎌倉時代中期後半の舞台で起こる得宗家内の血で血を争う権力闘争、御家人達の同族同士の争いの果てに国難が訪れている事を日蓮が幾度も懇願書を執権時宗に提出したが連署が握り潰すと言う妨害に遭い、謂れもない罪を受けて幾度も迫害に遭いながらも御仏の加護に守られて命を長らえ、身命を全うするのです。 最後のシーンは物凄く、東宝特撮にも劣らない大スペクタクルな豪快なシーンを演出しており、蒙古襲来で神風が吹くと言う昔ながらの常套句を特撮映像で表現されています。 阿鼻叫喚、船も人も積荷も何もかも海の潮に揺らされ、壊れ沈んでゆく様を眺めて居ましたが、結構なリアルで本当に有りそうな事柄が愚直に演出され、嵐が去った後は、船の残骸や土左衛門と成ったモンゴル兵の骸が波間に打ち付けられているシーンが目に焼きついて忘れられません。 熱心な日蓮宗信徒で有る永田雅一の肝入りでこの映画が制作された経緯ですが、俳優陣は大映を代表する看板俳優長谷川一夫を主役に据え、取り巻きを古参・中堅俳優で纏め、若手俳優)(市川雷蔵勝新太郎・梅若正二)を抜擢し、長谷川一夫の縁者二代目中村鴈治郎、娘(中村玉緒)婿勝新太郎、古参中堅の志村喬田崎潤淡島千景・黒川弥太郎・河津清三郎左卜全等の顔なじみ俳優が多数出演しており、各々の当てられた役割を演じて作品を彩っています。 私より8歳以上の年長のお兄さん、お姉さん達は私より詳しいので是れでやめときます。(笑)