近畿ブラ歩き

近畿の名刹、名所、催しを見聞するブログ

六道珍皇寺 御精霊迎え 六道参り

先週から投稿しておりましたが、今回初めてお盆の時期の参詣が叶う事が出来ました。 東山の鳥辺野に在る地獄の入口に鎮座する御寺でして、遣隋使小野妹子の子孫の当る小野篁が、夜な夜な起きて井戸に降りて冥府の裁判官閻魔大王に請われて裁きの助言を行うのです。 帰りは、是れまた閻魔大王に縁がある大報恩寺(千本釈迦堂)の井戸から出て帰宅すると言う毎日を繰り返し、また近くに在る引接寺(千本ゑんま堂)も閻魔大王を祀る御寺でして、此方も鳥辺野に次いで蓮台野若しくは紫野と呼ばれる忌みする場所です。 京都には、三大風葬地と呼ばれる死者を葬る場所が有り、野の字が付く場所は大概が風葬地に当てられて死者を野晒にして葬る無縁墓地なのです。 火葬が行われるのは江戸時代に入っての事でして、やはり貧しい者は人目を避けて夜な夜な大八車で死者を乗せて風葬地葬る事が続いていました。 暮らし向きが裕福に成って戦の無い太平の世が続いたので死者の弔い方も変わり、お寺で墓を作って先祖代々と永代供養する家が増え、今の弔い方や供養の仕方が定着し、先祖供養を行う慣習が定着しました。 今回、初めてお盆の時期に六道珍皇寺をお参りして、参拝者の多い事多い事、京都の何分の一かの市民がお寺に訪れて先祖(精霊)を迎える為に御寺をお参りし、社務所で御札と卒塔婆を購入し、寺の者に卒塔婆に先祖の名を書き込んで一旦寺の外で順番待ちしてまた境内に戻って鐘楼を二度鳴らして先祖を迎える儀式を行う。 帰りは高野槙を購入して、呼んだ先祖の霊を高野槙に添わせて持ち帰って16日までに供養を行ない、17日には再びあの世にお帰りして頂く為に六道珍皇寺に参って鐘楼を鳴らしてお帰りして頂く儀式を済ましてお盆は終わるのです。 其れにしても凄い光景を目にして、京都のお盆は此の様な事を連綿として受け継がれて居る事に感嘆しました。